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2021年12月9日(木)

断熱性能等級5新設のニュースより

住宅性能表示制度における断熱性能等級の「等級5」新設、さらに「等級6・7」についても国土交通省で検討が進められていることが直近で報じられました。

分かるようでなかなかすっきりしない家の断熱性能のこと。

すでによくご存じの方も多いかとは思いましたが、このニュースをきっかけに今回はあらためて断熱性能について触れたいと思います!

●国の基準としての断熱性能

住宅の断熱性能がどれくらいかを表す際にまず参照する国の基準としては、住宅性能表示制度(品確法に基づき第三者機関が住宅性能を評価する)の断熱等級があります。

国内を気象条件によって8つの地域に区分、地域ごとに等級1~4が設定され、等級4が最も高い断熱性能です。(等級4の性能値は建築物省エネ法平成28年基準に基づいています。)

新潟県は地域区分では5地域(小千谷市、魚沼市、南魚沼市などは4地域)、

等級4にあたる外皮平均熱貫流率(=UA値※)は0.87W/㎡K(4地域は0.75W/㎡K)以上となります。

新設される等級5では4・5地域共に、外皮性能のUA値0.60W/㎡Kが基準になるとされています。

※UA値: 建物外皮(外壁・床・天井・窓など外気との熱境界になる部分)の熱の伝わりやすさを表す値で、数字が小さい方が熱を伝えにくく断熱性能が高い。

●HEAT20による断熱性能

断熱等級4(または新たな等級5)を満たしてさえいれば高断熱な家と呼べるかと言うと決してそうではないのが現時点での実状で、住宅の断熱性能を測る際に広く用いられているのが、有識者等により組織された「HEAT20」によって示された指標です。

イエライフで提案している住まいの断熱性能もこのHEAT20の値に基づいています。

標準としてHEAT20 G1水準以上、高性能仕様としてG2水準以上とし、個々の住まいの計画段階で、外皮面積と断熱材や開口部等の仕様からUA値を計算。確実に値をクリアしていることを明示した上で家づくりを進めます。

●断熱等級6・7は?

現状ではまだ確定されていませんが、外皮性能については

5地域: 等級6 0.46W/㎡K  等級7 0.26W/㎡K

4地域: 等級6 0.34W/㎡K  等級7 0.23W/㎡K

の案が出ており、もし決定すれば等級7はHEAT20で言うG3に並ぶ水準となります。

これまでHEAT20の基準値が引っ張っている形だった住宅の断熱性能に、国の基準もいよいよ並び、住宅の高断熱化の流れが今後一層進んでいくように予想されます。

様々な情報にアクセスできる状況も手伝って住宅の断熱性能への関心は年々高まっており、弊社へ家づくりのご相談をいただく中でもG2以上の水準をご要望いただくことがとても増えてきました。

社会全体で家の性能が高まっていくことはもちろん良いことですが、断熱性能を上げるにあたってはやはり建築にかかるコストが左右されてしまう面があります。

性能の他にも素材やデザイン、間取り、大きさ、外部とのつながりなど家を形作るための要素は多く、性能の高い家を実現することはもちろん、コストやその他の要素とのバランスを取りながら、それぞれの住まい手の方にとって心地よく、納得のゆく家づくりをこれからも大切にしていきたいとあらためて考えています。

参考: 国土交通省 省エネルギー基準等小委員会▶https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s204_handan01.html

/hasegawa